小児眼科
斜視
斜視とは片目は物を見ているのに、もう片方の目の視線はずれている状態です。
同じ目だけが斜視になると、その目が弱視になったり、ずっと斜視の時間が続くと物を立体的に見る力がなくなってしまうことがあります。
立体的に見る力は生後3ヶ月頃から発達し3歳の終わりまでに成長を続けるものです。この期間に斜視のままで過ごすと立体的にものを見る力が育たなくなってしまうので、治療をする必要があります。
内斜視(片方の目が内側によっているもの)
- 内斜視の主な種類
- 乳児内斜視生後6ヶ月以内の発症で、角度が大きな内斜視
- 調節性内斜視遠視が原因で内斜視になるもの
- 部分調節性内斜視遠視のメガネをかけてもまだ内斜視が残るもの
- 治療
- メガネお子さんはピントを合わせる力が強いため(調節力)、その力を休ませる為の目薬(調節麻痺薬)をさしてどれくらい遠視があるか検査し、適切な度数のメガネをかけます
- プリズム遠視のメガネをかけてもまだ残る内斜視に対して使用します
- 手術必要な場合は大学病院へご紹介します
外斜視(片方の目が外側にずれているもの)
- 外斜視の主な種類
- 間歇性外斜視目の位置がまっすぐな時と外斜視の時があるもの
- 恒常性外斜視常に外斜視の状態
- 治療
-
各種訓練を年齢、斜視の状態により適切に判断し行います。訓練に関しては下記のものがあります
- 輻輳訓練より目を鍛える訓練(運動面の訓練)
- 融像増強訓練より目(運動面)と両眼を使って見る力(感覚面)の両方を鍛える訓練
- 抑制除去訓練複視を自覚させる訓練
- 手術必要な場合は大学病院へご紹介します
弱視
目に病気がないにもかかわらず、矯正しても視力が出ない状態です。
目の中の物を見る大事な場所にはっきりとした像が映らないとその部分が発達せず、弱視になってしまい
ます。
治療に反応する年齢は8歳までと言われているので、早めの治療がとても大切となります。
- 弱視の主な種類
- 斜視弱視斜視が原因で起こる弱視
- 不同視弱視片方の目に強い遠視があることによる弱視
- 屈折弱視両目に強い遠視があることによる弱視
- 形態覚遮断弱視片方の目に白内障があったり、まぶたが下がっていたりすると起こる弱視
- 治療
- メガネお子さんはピントを合わせる力が強いため(調節力)、その力を休ませる為の目薬(調節麻痺薬)をさしてどれくらい遠視があるか検査し、適切な度数のメガネをかけます
- 遮蔽訓練片目のみ弱視になってしまった場合は、視力のよい方の目を隠すことで、弱視の目を積極的に使わせるような訓練をします。
- 治療用メガネにかかる療養費の支給
- 9才未満のお子様の弱視や斜視の治療用メガネやコンタクトレンズ(以下「治療用メガネ等」)の作成費用
が健康保険の適用となりました。
患者様負担割合以外の額が、療養費として償還払い扱いで患者様に給付されます。
患者様が全額自己負担で「治療用メガネ等」を購入後、加入している健康保険組合の窓口に下記書類を提出
し、療養費支給を申請することで患者様負担割合以外の額が、国で定めた交付基準の範囲内で保険給付され
ます。
- 小児治療用眼鏡のこども医療費適用の支給について
- 上記の治療用メガネにかかる療養費で補えない自己負担分について助成の対象になります。
(適応の方には、別途説明致します)
子どもの斜視を見逃さないために
-
お子さんの様子に注意してください。
- 外に出た時にまぶしがる
- 外に出た時に片目をつむることが多い
- 頭をいつも決まった方向に傾けている
- 眠い時などボーっとしている時に視線がずれている
- 読書のときに行を読み飛ばす
- 目を細めて見ている。
- あごを上げて見ている。上目づかいで見ている。
などです。
視能訓練士
視能訓練士とは
視能訓練士は、昭和46年に制定された「視能訓練士法」という法律に基づく国家資格をもった医療技術者です
(眼科一般検査)
遠視、近視、乱視といった屈折異常に関する検査、白内障、緑内障などの眼疾患に関する検査、黄斑
変性などの網膜疾患に関する検査、眼鏡やコンタクトレンズの処方に関する検査等を行います。
具体的には、主に以下のような検査を担っています。
視力検査、屈折検査、眼圧検査、視野検査、眼底・前眼部の写真撮影および解析読影、網膜断層検査、
電気生理検査、超音波検査など
(視能矯正分野(斜視、弱視などの訓練指導)
両眼視機能の異常を持つ斜視、弱視の患者さんに両眼視機能を回復させるための視能訓練及び
これに必要な検査を行います。
具体的には、アイパッチ等による遮蔽訓練(弱視訓練)、両眼視機能検査、眼筋機能検査、斜視訓練、
精密屈折検査など
(健診業務分野)
斜視、弱視の予防には早期発見、早期治療が大切です。
視覚の発達感受性が高い時期でもある乳幼児期に治療をすることが望ましいです
早期発見の為に3歳児健診へ参加しスクリーニング検査を実施しております
視能訓練士の紹介
視能訓練士の藤森重人です
平成8年に視能訓練士の免許を取得し、平成24年5月まで杏林大学病院眼科に在籍し、小原澤先生の元で患者様本位の医療をすべくおはらざわ眼科にまいりました
大学病院では、眼科一般検査、小児眼科、斜視弱視訓練、3歳児健診に携わり特に小児の視機能発達を阻害する屈折異常の矯正、弱視、斜視訓練に興味があり、取り組んでまいりました大学病院で培った知識、技術を活かし大学に負けない医療と、人と人との関わりあいを大切にした医院を創りたいと思いますので宜しくお願い致します
視能訓練士の清水まゆみです。
平成20年に視能訓練士の免許を取得し、平成28年6月まで総合病院に在籍していました。
これまで培った経験を活かすとともに、おはらざわ眼科の一員として更なる技術の向上、
知識の研鑽を積ませて頂きたいと考えております。何卒よろしくお願い致します。